新型コロナウイルス感染症の後遺症は、数多く報告されています。
その中でも代表的な症状が「倦怠感」「嗅覚(きゅうかく)障害」「味覚障害」「頭痛」「睡眠障害」「脱毛」「呼吸困難感」です。
また「集中力や思考力が低下」といった脳に影響を与える後遺症もみられます。
「ブレインフォグ」(脳に霧がかかったような状態)と呼ばれています。
いずれの後遺症も原因は研究中ではっきりとは解明されていませんが、「ブレインフォグ」は脳の炎症が原因と考えられています。
「集中力や思考力の低下」は「記憶力の低下」とも関係しているため、記憶において重要な脳の海馬に影響を与えていることが考えられます。
ブレインフォグの症状
- 覚えることができない
- 不注意でミスが多い
- 集中して物事を行うことができない
- 頭が働かない
- 以前より仕事がはかどらない、効率よくできなくなった など
ブレインフォグを引き起こす可能性がある病気
ブレインフォグの症状が見られる病気には下記のようなものがあります。
- うつ病
- 不安症
- 適応反応症(適応障害)
- 睡眠障害(不眠症・過眠症)
- 注意欠如多動症(ADHD)
- 自閉スペクトラム症(ASD)
- PMS(月経前症候群)・PMDD(月経前不快気分障害)
- 依存症(物質使用症)
- その他 慢性疲労症候群など
ブレインフォグの治療法
確立した治療法は今のところありません。
しかし、このような新型コロナウイルス感染症の後遺症があることを理解することは重要で時間経過とともに改善が期待できる可能性もあります。
また、その他の病気の影響や合併を検討する必要があります。
「ブレインフォグ」のような認知機能に影響を与える病気が他にないか検討する必要があります。
うつ病や不安症といった精神疾患や薬剤の影響、その他の脳の病気など鑑別する必要があります。
認知機能についてもどのような認知機能が低下しているのか、専門家が詳しく問診したり検査を行ったりすることが大切です。