1. 心身症とは?
日本心身医学会では、心身症を次のように定義しています。
「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など、他の精神疾患に伴う身体症状は除外する」
つまり、何らかの身体疾患が存在していて、その病気の発症や症状、経過にストレスなどの心理社会的な要因が強く関係していると考えられた場合、心身症と診断することになります。
ストレスによって身体疾患が起こったり悪くなったりする状態のことです。
2. 心身症をきたす代表的な身体疾患(からだの病気)は?
心身症は、それ自体がひとつの病気を指すのではありません。
例えば、気管支喘息という病気は「呼吸器系」の病気ではありますが、この病気に罹患している方がストレスなどを誘因として気管支喘息の症状が悪化することがあり、この場合心身症と考えます。
いろいろな身体疾患は、当然ストレスの影響を受けることは想像できますが、心身症という病気の状態として表れやすい病気はある程度決まっています。
一例ですが、
- 過敏性腸症候群
- 機能的ディスペプシア(消化器心身症)
- 本態性高血圧症
- 起立性低血圧
- 虚血性心疾患(心臓血管系の心身症)
- 気管支喘息
- 過換気症候群(呼吸器心身症)など
が心身症の病態を認めることがあります。