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不安症(不安障害)

不安と不安症とは?

不安や恐怖は人間がもともと備え持っている感情で、恐れる対象が明確ではない「不安」と比較的明確な「恐怖」に区別されることもあります。

不安が実際の状況より極端に強調され、繰り返し過剰に反応してしまうとひどく緊張して疲れ果ててしまいます。

このような状態は病的な不安です。

具体的な不安症は以下の5つがあります

不安症でお悩みの方は一度専門医にご相談ください

不安症がとても重要と考えられているのは、決してまれな病気ではなく不安症の人の約3分の1が他の不安症を同時に合併したり、うつ病の人の約50%が何らかの不安症を合併したりすることです。

不安症が自殺の原因となることもあります。

不安症で悩んでおられる方、また不安症ではないかと心配されている方は是非専門医にご相談ください。

不安症とは

①全般性不安症(全般性不安障害)

1. 全般性不安症とは?

日常生活や人生のさまざまな場面や状況において、悪い出来事が起こるのではないかと過剰に心配し不安が持続することで日常生活や仕事などに支障を来たした状態です。

周囲の人からは「そこまで心配しなくてもいいのに」と思われるようないくつかのことを極端に心配し、眠れない状態になったり、食欲が低下したり、体が緊張したり、物事に集中できなかったりします。

2. 全般性不安症の治療は?

薬物療法や精神療法が検討されます。

現在日本では、「全般性不安症」に使用を認められている薬剤はありませんが、海外のガイドラインなどでは、抗うつ薬のSSRI(選択的セロトミン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)が有効とされています。

また精神療法はとても有効とされており心理教育やリラクゼーションを含めた認知行動療法が行われます。

②パニック症(パニック障害)

1. パニック症とは?

特別な状況や誘因によらない突然のパニック発作が繰り返し起こって、その発作がまた起こるのではないかと不安になり(→予期不安といいます)、発作が起こりそうな場所や状況を避けて外出ができなくなって(→回避行動といいます)、日常生活に支障をきたす状態です。

2. パニック発作とは?

パニック発作では、動悸や息苦しさ、めまいや吐き気、手足のしびれや冷や汗などの症状が出現し、このまま死んでしまうのではないかといった恐怖を伴います。

救急車を呼んで救急外来を受診しますが心電図や血液検査では通常異常は見つかりません。

発作は数分でピークに達することが多くたいていは30分、長くても1時間以内には自然に治まります。

パニック症では、予期しないパニック発作が繰り返し出現することが特徴です。

3. パニック症の治療は?

薬物療法と精神療法があり、併用して行われると効果的です。

薬物療法はSSRI(選択的セロトミン再取り込み阻害薬)が第一選択薬で、病状により抗不安薬も一時的に使用されることもあります。

精神療法は、認知行動療法や段階的曝露療法が有効です。

しかし精神療法の開始に当たり無理は禁物です。

パニック症の精神療法によく精通した医師や公認心理師(臨床心理士)とよく相談をしてから開始することをお勧めします。

③広場恐怖症

1. 広場恐怖症とは?

「アゴラフォビアagoraphobia」ともいわれます。

ひとりで外出した時、何か困ったことが起きた時に助けを求めることができず、すぐに逃れられないような場所や状況を恐れ、外出が出来なくなってしまうような状態です。

2つ以上の状況を恐れ、パニック症に引き続いて出現したり合併したりすることがあります。

2. 広場恐怖症の治療は?

広場恐怖症に特化した治療法はまだ確立されていませんが、多くはパニック症の治療に準じて行われます。

薬物療法や精神療法がある程度有効と考えられています。

④社交不安症(社交不安障害)

1. 社交不安症とは?

人と人との関わりにおいて、相手から嫌われることを恐れ、嫌われないように気を遣い親しい関係を築くことを回避してしまい、重度ではひきこもりの状態となります。

全般的な社交不安症では、幼い頃から恐がり(な性格)であることが多く、学校へ通う時期になり同級生や仲間に対し嫌われることを恐れて不登校になってしまい、うつ状態やひきこもりの状態になり発症することがあります。

また一部「あがり症」といわれるタイプ(パフォーマンス限局型)も含まれ、その場合は緊張して手足に汗をかくといった身体的な症状を認めることがあります。

2. 社交不安症の治療は?

薬物療法や精神療法が行われます。病状の経過や症状をよく検討した上で治療を導入します。

薬物療法は、SSRI(選択的セロトミン再取り込み阻害薬)が第一選択です。

精神療法は認知行動療法が有効です。

しかし繰り返しになりますが、病状の経過や症状をよく考慮した上での治療が大切で(効果も変わることがあります)、専門医に相談されることをお勧めします。

⑤限局性恐怖症

ある特定の場所や状況に対して恐怖を起こし日常生活に支障をきたす状態です。

動物(虫や犬など)、高所や閉所、血液や注射などが恐怖の対象となります。

気を失う発作(*)を起こしたりパニック発作を起こしたり強い恐怖を伴うことがあります。

治療は、心理教育や曝露療法といった精神療法が行われます。薬物療法では一時的に抗不安薬を使用することがあります。

*注射や採血など、恐怖や痛み、精神的なストレスから一時的に意識を失うことがあります。

これは神経調節性失神(しっしん)と呼ばれ、自律神経の調節異常(交感神経から副交感神経優位へ変化)のため脳の血流が一時的に低下することが原因です。

最近では新型コロナウイルスに対するワクチン接種でもこのような失神を経験される方はおられます。