年齢を重ねるにつれて、「もの忘れ」が気になる方は少なくありません。たとえば「人の名前がすぐに出てこない」「“あれ”“それ”と言って話が進まない」「大事なものをどこにしまったか忘れてしまった」など、日常の中で感じる“記憶の揺らぎ”はさまざまです。こうした変化に「もしかして認知症の始まりでは…」と不安になる方もいるでしょう。
軽度認知障害(MCI)とは
「認知症」とは、脳の病気や障害によって記憶・判断・理解などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態です。原因にはアルツハイマー病、脳血管障害、レビー小体病などがあります。 その前段階として「軽度認知障害(MCI)」があります。本人や家族が認知機能の低下を自覚し、検査でも一定の低下が確認されるものの、日常生活には大きな支障がない状態です。早期の気づきと対応が、認知症の予防や進行の抑制につながります。
加齢による「もの忘れ」と認知症による「もの忘れ」の違い
では、加齢による「もの忘れ」と認知症による「もの忘れ」の違いはどのようなものでしょうか。加齢による「もの忘れ」は、後になって思い出すことができる“良性の健忘”であるのに対し、認知症による「もの忘れ」は体験そのものを忘れてしまい、後で思い出せない“悪性の健忘”とされます。
治療と介入について
近年は、軽度認知障害や初期の認知症に対する治療の選択肢が広がっており、早期のアルツハイマー病には新しい治療法も登場しています。また、予防には生活習慣の見直しが大切です。魚や野菜を中心としたバランスの良い食事、ウォーキングなどの運動、知的活動、地域活動や家族との交流、質の良い睡眠などが脳の健康維持に役立ちます。
「ちょっと気になる」と感じたら、まずは身近な人やかかりつけ医に相談してみましょう。早めの一歩が、将来の安心につながります。
当院でできること
当院では、もの忘れや認知機能の変化に関するご相談をお受けしています。
「検査を受けるほどではないけれど気になる」「家族の様子が少し心配」といった段階でも構いません。
医師が丁寧にお話を伺い、必要に応じて認知機能検査や生活習慣のアドバイスを行います。
不安を抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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<執筆者>
かめいメンタル・メモリークリニック 院長 亀井 聖史
- 精神保健指定医
- 日本専門医機構認定精神科専門医・指導医
- 日本認知症学会専門医・指導医
- 日本老年精神医学会専門医・指導医
- 日本認知症予防学会認知症予防専門医
- 日本精神神経学会認知症診療医
- 日本医師会認定産業医
- 臨床研修指導医







